「高木顕明師の事績に学ぶ自主学習会」2日目は、ハンセン病治療において大きな役割を果たした小笠原登氏についての学習でした。
映像資料を見る形で始まった研修会2日目は、6月の現地研修会の中で、新宮に続いて訪問する予定の小笠原登氏にまつわる内容が主となりました。
氏は、真宗大谷派の寺院に生まれであり、医学の道を志される中で、ハンセン病に罹患された患者の方と向き合うことを選ばれたそうです。
当時、ハンセン病という病気に罹患された方は、半ば公的に伝染病として隔離された療養所に強制的に隔離されることとなっていたそうです。
しかし氏は、自身の治療経験から患者を日常生活から隔離するには及ばずとも、治療できることを提起されたそうです。
その後、氏の主張は、当時の学会の定説に反するということで、かえりみられることなく時間が経過したそうです。しかし、ハンセン病史において国の隔離政策が誤りだとされた判決において、当時小笠原氏の歩みが大きな役割を果たしたそうです。
我々の生きている現在という時間に比較的近いかつて、このような生き方をされた方がおられた、という指摘は重要なものではないかと感じられた研修会でした。
主催:部落差別に学ぶ協議会