熊本地震 真宗大谷派仙台教区有志
 4月20日現在

交通
 北側から熊本入りする場合は、植木ICまで高速で入れます。熊本市の北側に位置します。現在、有志の拠点になっている内古閑さんのお寺のすぐ近くになります。
 市内の道は、かなり深刻な渋滞が慢性的に発生しています。土地勘の無い人だけでの移動は、渋滞を悪化させる一因にもなり、また移動時間のロスもありおすすめできません。現地の人を伴っての移動であれば、比較的スムーズに移動ができました。ただ、今後一般のボランティアが大勢熊本入してきた場合は、その限りではありません。
 市内を始め被害の大きかった地域は、交通情報にのっていない通行止め、行き止まりが非常に多く、迂回を強いられます。
 
 
 物資
 報道でもされているように、物資に関しては非常に格差があるように思います。それぞれのニーズに対応しきれていないよう。物が現地にないわけではないと、正直思います。東日本大震災の時は、原発の問題があったので南からの物流がかなりの期間、ほぼストップしていたように思いますが、熊本の北側までは高速で来れることもあり、市内でもスーパーなどに満足とまではいきませんが、商品が入ってきています。ガソリンも全く手に入らないわけでなく、探せば十分手に入れることができます。
 熊本は元々、非常に水の豊富な地域です。いたるところで井戸水や湧水があり、比較的生活用水には困らないように見えました。ただ、元は飲めたような井戸水も地震以降、濁ったり、泥が混じったり、飲料用には使えないものが多いです。私が見て回ったところは、比較的飲み水に困っていませんでしたが、消耗品ですし、行き渡っていない場所もあるように声が聞こえてきたので、今後も需要はあるかと思います。
 五年前もそうでしたが、物資の需要に関しては、一概にこれが必要、不要というのが難しいです。今日必要なものが明日には邪魔で迷惑になるという問題を孕んでおります。また、生鮮食品は確実に使用の目処がない限りは迷惑になってしまうことのほうが多いです。
とりあえず教区に直接届けられた物資は、2・4・5・8組の組長寺院に物資の拠点をつくり搬入したとのこと。
 
 
 避難状況
 全壊、半壊とまではいかなくても、熊本全域で、ほとんどの建物が大なり小なりダメージを受けているように見えました。その上、一度目の地震で持った建物が本震によって倒壊する様子をまざまざと見せつけられたことで、非常に多くの人が建物に対する不安を持っておられる。ですので、報道にあるように夜間を車で寝泊りする人が本当に多い。コンビニの駐車場など、夜になると寝泊りする車で埋まっている光景をよく見ました。このような状況が今後どのくらい続くのかが、今後の支援活動にも大きく左右するのではないかと思います。
 避難所にしても、板張りに毛布一枚を敷いて硬い床で、寒がりながら寝ている子供お年寄りがたくさんいます。
 炊き出しをしにいったとき、高校生の男の子の第一声が「量はいっぱいありますか?」だった。満足に食事もできていないんだなと。お腹いっぱいご飯も食べることができなくて、それでも避難所の中の様々な作業をボランティアとして手伝っている子供たちがたくさんいる。そんな子供たちを少しでも支えてあげたい。
 
 
 今後の支援の在り方
あくまでも所感である、というのが前提ですが。
 体感ですが、物流は五年前とは比べ物にならないくらい早い段階で復旧していくのではないかと、感じた。
なので、物資が足りているとは言いにくのですが、それでも物資が今後過剰供給、余剰在庫として現地を圧迫する危険性があるのではないかと思っている。
だから、送ってはいけないということではない。必要だ、という声がある以上その形は間違っているとは思わない。しかし、現地で物資を購入することも可能なので、現金を自分が信頼する団体、あるいは宗門に託す方がロスがないように思う。そのほうが、その時々に一番必要なものを即応的に用意し届けることができる。
 
 
ボランティアについて
現在は、熊本仏青の有志や久留米の仏青を中心に炊き出しや物資の搬入などが始まっている。勿論、それ以外に動いておられる方もたくさんおられることと思う。
いずれ、倒壊した寺院のがれき撤去などの作業も必要になっていくだろうが、まだ余震が続き不安定な建物内での作業にはリスクが伴う。
そのようなことからも、宗派として、現時点では公式にボランティアの受け入れていない。
 近隣に宿泊できる場所も基本的にはない。
ただ、近いうちに現地にボランティアセンターが開設されるので、そこで受け入れがあることとは思う。
 宗門内となると、基本有志の繋がりに限られる。
 
 
 現時点で、感じた状況報告でした。
また、月末に熊本に戻ろうと思っています。